議 長 挨 拶 本年度も、県下50工場において、経営者の品質管理に対する姿勢、工場設備の充実度、工程管理の適切さ、製品検査の記録に基づく品質保証の的確さ、実地試験による技術力等の確認を行い、全工場が、適切な体制の下、品質管理が行えていることを確認致しました。監査員の皆様のご協力をもちまして、公平で、厳正な監査が行えましたことに、あらためて感謝申し上げます。 新型コロナウイルスが猛威をふるい始めて、3年が経過します。いつまでも恐れるばかりではなく、withコロナ時代に向けて、新しいライフスタイルが問われ始めています。コロナ禍で残念であったことが、品質管理監査において立会者のいなかったことです。品質管理監査の意義は、JIS認証機関の行うサーベランスとは異なり、購入者の意見が監査に反映されることと思います。普段、レディーミクストコンクリートを使って仕事をされている方々の素朴な疑問は、品質管理の本質を突く指摘であったりします。学校を卒業したばかりの職員からの質問は、純粋なだけに答えに困ることがあるかもしれません。こういう質問に触れて、分かりやすく答えられる能力も、工場側の技術者には求められていると思います。工場の技術者の力量を高めるためにも、品質管理監査における立会が、次年度は、再開される状況になることを願います。 令和5年1月に、私の研究室のある建物の横に、隈研吾先生が監修された校舎が完成しました。CLTを用いた木造2階建ての校舎です。コンクリートで造られた高層の校舎群の中にあって、広い敷地の中に建つ2階建ての校舎は存在感があります。中に入ると、木、独特の癒しを感じます。コンクリートで仕事をさせてもらっている身としては、木がシェアを延ばす危機感を予感させられます。 規格化されたものを造り続けることは大事ですが、常に新しいものを追い続ける姿勢も忘れてはならないように思います。令和5年の秋には、土木学会コンクリート標準示方書[施工編]が発刊されます。岡山での講習会は、もちろん、隈研吾先生が監修された校舎で開催する予定です。固いコンクリートの話を柔らかい木の校舎で聞いていただけると幸いです。 令和5年3月岡山県生コンクリート品質管理監査会議議長 綾 野 克 紀(岡山大学工学部都市環境創成コース教授)
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