品質管理監査報告書2021
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議  長  挨  拶 令和2年度は、新型コロナウイルスの影響で予定したとおりに事業の行えない年でした。そのような中にあって、例年通りとは言えないかも知れませんが、品質管理監査運営委員会に知恵を出して頂き、本年度も、監査員の皆様のご協力の下、公平に、かつ、厳正に品質管理監査を実施できましたことに感謝申し上げます。本年度は、昨年度よりも1工場少ない、県下52工場において、経営者の品質管理に対する姿勢、マネジメントレビューが適切に行えていること、実地試験による技術力等に絞り、全工場が適切な体制の下、品質管理が行えていることを確認致しました。 2022年版土木学会コンクリート標準示方書の改訂作業が始まっています。施工編の改訂の主な方針は、施工標準に高流動コンクリートとプレキャスト製品を用いた施工を入れることです。これまでの施工標準では、振動機による締固めが必要な、打込みの最小スランプが16cm以下のAEコンクリートが対象でした。現場における技能者不足の問題を解消し、コンクリート構造物の品質を高め、施工における生産性を向上させる目的で、施工標準が対象とする範囲が大幅に広がります。 東北地方を中心に、早期に凍結融解作用によって変状の生じている構造物が問題となっています。振動機による締固めを行った後で4.5%の空気量を確保するために、荷卸し時点で6.0%の空気量を超える生コンクリートも求められています。示方書において対象とする生コンクリートは、第三者によって、その品質が確かめられている必要があります。JIS認証品でない6.0%の空気量を超える生コンクリートや高流動コンクリートの場合、品質管理を行えることが第三者によって証明された生コンクリート工場で製造することが原則になります。JIS認証品だけでは対応できない時代の施工において、生コンクリート工場が品質管理監査に合格していることが益々重要になってきます。㊜マークを表示する意味を、製造者も、購入者も、理解して頂きたいと思います。 最後になりますが、中村堯夫前理事長が令和2年9月15日にご逝去されました。理事長になられる方は、皆さま立派な方ばかりですが、中村前理事長は、いつも朗らかに大きな心で全てを懐に包んでくださる指導者でした。後任に就かれた光田和弘理事長には、中村前理事長の遺志を引き継ぎ、日本で一番の品質の生コンクリートの供給にご尽力を頂けることをお願いしたいと思います。中村堯夫前理事長の生コンクリート業界および建設業界に対する長年の功績に敬意を表し、謹んでお悔やみ申し上げます。  令和3年3月岡山県生コンクリート品質管理監査会議議長  綾 野 克 紀(岡山大学工学部都市環境創成コース 教授)

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