品質管理監査報告書2020
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議  長  挨  拶 令和になり初めての品質監査を、監査委員、立会者の皆様のご協力をもちまして、公平で、厳正に行えましたことに感謝申し上げます。本年は、昨年度よりも1工場少ない、県下53工場において、経営者の品質管理に対する姿勢、工場設備の充実度、工程管理の適切さ、製品検査の記録に基づく品質保証の的確さ、実地試験による技術力等の確認を行い、全工場が適切な体制の下、品質管理が行えていることを確認致しました。 昨年の11月11日の山陽新聞の1面に掲載された、天皇皇后両陛下が祝意に応えられ、笑顔で手を振り続けられるご様子は、日本の新しい時代を感じさせる晴れ晴れしい写真でした。その天皇皇后両陛下のお写真の横に、㊜マークが大きく掲載されていました。㊜マークが誇らしく思える偶然でした。 ㊜マークは、品質の証です。品質管理監査に合格した工場は、胸をはって堂々と表示すべきと思います。納品書の備考欄に、㊜マークを表示する検討を岡山県生コンクリート品質管理監査会議が働きかけています。㊜マークを表示できる生コンクリートを納入している。㊜マークを表示した生コンクリートを購入している。それが、コンクリート構造物の品質の証である。令和の時代には、これが普通であってほしいと願います。 2022年版土木学会コンクリート標準示方書の改訂が始まります。施工編の改訂方針の打ち合わせで、設計図書に設計基準強度が24N/mm2と記載されたコンクリート構造物を構築するときに、施工者は呼び強度がいくらの生コンクリートを購入すべきであるか、ということが話題になりました。呼び強度を十分に満足するように品質管理されている生コンクリートを購入するのだから、設計基準強度と同じ呼び強度を指定すれば良いと考える人もいれば、施工条件や施工方法、とくに養生の方法によって異なると考える人もいらっしゃいます。設計編は、2017年版より、「考える設計」を標榜しています。施工編も、「示方書に書いているから」ではなく、「考える施工」を指向する時期かもしれません。そのためには、生コンクリートの購入者も、生コンクリートがどのような品質管理の基で製造されているかを理解しておくことが重要であると思います。 最後になりますが、品質管理監査に長年ご貢献された東京大学名誉教授で全国生コンクリート品質管理監査会議議長の友澤史紀先生が令和元年11月8日に永眠されました。友澤先生の建設業界に対する長年の功績に敬意を表し、謹んでお悔やみ申しあげます。  令和2年3月岡山県生コンクリート品質管理監査会議議長  綾 野 克 紀(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)

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