品質管理監査報告書
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議  長  挨  拶 本年も県下54工場において、経営者の品質管理に対する姿勢、工場設備の充実度、工程管理の適切さ、製品検査の記録に基づく品質保証の的確さ、実地試験による技術力等の確認を行い、全工場が、適切な体制の下、品質管理が行えていることを確認致しました。監査員の皆様のご協力をもちまして、公平で、厳正な監査が行えましたことに、あらためて感謝申し上げます。 本年度、土木における発注時のスランプの参考値が12㎝に変更されたことを受け、土木学会の標準示方書でも、コンクリートの施工性を確保するために必要とされるスランプの標準的な値を、構造物ごと、部材ごとに【設計編】に示しました。また、【施工編】には、品質を確保した上で生産性を向上させるための施工上の留意点が示されました。人手不足や働き方改革などの社会情勢の変化への対応のためにコンクリートのスランプが大きくなったことは事実ですが、生産性を向上するために、コンクリート構造物の品質が確保されないのでは本末転倒の結果となります。 監査項目B1201(契約内容の確認)では、「レディーミクストコンクリートの納入に先立ち、顧客要求事項が適切であることを、文書により相互に確認していること。契約が文書によらず口頭による場合でも、顧客要求事項がレディーミクストコンクリートの納入に先立ち相互に合意されていること。」を求めています。岡山県生コンクリート品質管理監査会議では、数年前より、顧客が求めるコンクリートを納めるだけでなく、納めるコンクリートが、その現場に相応しいコンクリートであることを、施工会社の技術者とともに生コンクリート工場の技術者が、よく協議することが大事であることを、正監査員(産・官・学)、副監査員(生産者)からなる監査員会議等で議論してきました。土木における発注時のスランプの参考値が一律8cmの時代から、部材ごとに異なる標準値が示され、さらに、実際の施工において採用するスランプの大きさは、施工者の責任において決める時代となった今、生コンクリート工場の技術者の果たす役割はますます大きなものになります。 品質管理監査に合格された工場におかれましては、その責任の重さを自覚頂き、さらなる技術の研鑽に努められることを願っています。  平成30年3月岡山県生コンクリート品質管理監査会議議長  綾 野 克 紀(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)

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