第40回品質管理監査報告書
3/34

議  長  挨  拶 県下56工場において、経営者の品質管理に対する姿勢、工場設備の充実度、工程管理の適切さ、製品検査の記録に基づく品質保証の的確さ、実地試験による技術力等の確認を行い、全工場が、適切な体制の下、品質管理が行えていることを確認致しました。発注者およびユーザの皆様にご協力を頂き、公平で、厳正な監査が行えましたことに、あらためて感謝申し上げます。本年度の監査においては、岡山県下全工場で行われた標準配合の見直しによって、呼び強度に対して圧縮強度試験の結果が1.5倍以上となった工場数が減りました。技術委員会を中心とした技術向上の成果と思います。 建設現場の生産性向上の取り組みとして、土木用コンクリートの標準スランプの見直しがされています。長年、8㎝とされていた土木用コンクリートの設計時のスランプは、近い将来、12㎝が標準となるかもしれません。生コンクリート工場には、不良率を下げるための技術力のさらなる確保が求められます。製造にあたる技術者の皆様には、社会からの期待にこれまで以上の品質管理で応えて頂くことを強く希望致します。 品質の確保されたコンクリート構造物を確実に施工するためには、大きなスランプのコンクリートを使えば、全ての問題が解決できるわけではありません。ポンプの筒先だけでなく、バイブレータすら入る隙間のない鉄筋間隔など、それぞれの立場で、それぞれの技術者が英知を持ち寄って解決を図らないと解決できない問題がたくさん残されています。県下56工場の技術者の皆様には、標準化された製品を納めれば、それで終わりでなく、より良いコンクリート構造物を世に残していく意識をもって、品質管理に携わって頂けることを願っています。  平成29年3月岡山県生コンクリート品質管理監査会議議長 綾 野 克 紀(岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授)

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る